楽曲紹介『もっと走れっ!!』後編
↑の続きです。
3. 永遠に中学生
作詞:前山田健一
作曲:前山田健一
編曲:前山田健一
【背景】
前山田氏の提供楽曲第八弾。
瑞季と真山が中学3年生に上がった頃、何人かのファンから「中3メンバーは高校生になったらエビ中を卒業するのか」という質問を受けた理事長が、その質問へのアンサーとしてこの(永遠に中学生という)テーマで前山田氏に作曲を依頼したことで作られた曲。*1*2
この曲ができたことによって、後に「永遠に中学生制度」が誕生し、高校1年生を中学4年生、高校2年生を中学5年生…と数えるようになり、メンバーは文字通り永遠に中学生として扱われることとなった。*3
理事長曰く、「裏テーマとして仕事やバイトや勉強やらで忙しいみなさんにせめてえび中のライブの間は童心に帰って笑顔で楽しんで貰いたいなーと言う想いも詰め込んだ楽曲なのです」とのこと。*4
この「永遠に中学生」という言葉は、曲としてだけではなくコンセプトとしてエビ中に深く根付いており、今では「King of 学芸会」と並ぶ(あるいはそれ以上に根幹を支える)エビ中のグループコンセプトとなっている。
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ライブでは、メンバーが肩を組んで体を左右に揺らすダンスをする際に、ファン同士も隣の人と肩を組んで身体を左右に揺らすのが恒例となっている。
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このコンセプトをそのままタイトルに使用した、『エビ中の永遠に中学生(仮)』(及び『エビ中の永遠に中学生(仮)2』)という番組が存在する。
【感想】
エビ中の数ある楽曲の中でも最も深くグループの方向性に関与した曲でしょう。
今では「永遠に中学生」という言葉無くしてエビ中を語ることは出来ません。
全員が本物の中学生だった当時とは違い、今ではこのコンセプトがエビ中の根幹であり、「私立恵比寿中学」というグループの存在意義ですらあるからです。
グループ名的に考えても、この言葉が無ければエビ中はもう存在しないグループになっていたかもしれません。
そういう意味でエビ中にとって最も重要な曲と言えると思います。
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まずは曲の感想から。(←ってそれが本題のはずなんですが…(笑))
イントロから既に雰囲気がばっちりでてますね。
理事長の仰る通り(背景参照)、この曲は「童心」が一つのテーマなわけですが、それを象徴するかのように児童音楽のような明るくて元気な音が全体を通してずっと鳴り響いています。
前山田さんはこういう抽象的なイメージを音にするのが天才的に上手だなと思いますね。
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途中でメンバーが自分の名前を一人ずつ言っていく台詞パートがあるんですが、ここ好きなんですよね~(笑)
何故か後半の台詞と違ってこっちの台詞は歌詞カードに書かれていないんですが(絶盤ベストのしか確認してませんが)、こっちの台詞も好きなんですよ(笑)
ただ単に自分の名前言ってるだけなんですが、ほんとただそれだけにも関わらず声のトーンや言い方にもの凄く個性が出てると思うんですよね。
「瑞季でした~」のあどけない言い方は最高に可愛いですし、
「宮﨑れいなでした~」の冷静リーダー感は半端ないですし、
「真山りかでした~~」の頑張ってハイテンションガールしてます感は愛おしいですし、
「杏野なつでした~」の優しい言い方に包まれた清純派感は輝きが漏れ出てますし、
「安本彩花でしたー」の棒読み感は異常ですし、
「廣田あいかでぃした~」のプロ感には平伏せざるを得ないですし、
「星名みれいでした~☆」のキラキラ感は360度聞いても色褪せないですし、
「鈴木裕乃でしたぁ」の脱力感はプリンセスすぎておなか痛いですし、
「松野莉奈でした」のここは名前を言ってと言われたからそのまま言いました感は純粋さが溢れ出てますし、
「柏木ひなたでした~」のたどたどしい言い方は妹純度120%のロリコン虐殺マシーンです。
「あぁ、ビバエビ中」と感じるひと時ですね(笑)
ステレオサウンドを駆使して右から左へ出席番号順に声が流れていくのもいいですね。ライブを彷彿とさせます。
まぁ、客席からみると左から出席番号順に並んでいることの方が多かったと思いますが(笑)
ちなみに後半にも台詞がありますがこっちも個性が出てます。
台詞にキャラが反映されている子もいますね。
裕乃の「チョットだけよー」という唐突な加トちゃんネタの意図はよく分かりませんが(笑) 語呂が合ってるからですかね(笑)
彩ちゃんの「お父さーん」もステレオ効果が効いてます(笑)
それとぁぃぁぃの「他の現場も行けよー」という台詞ですが、僕はてっきりエビ中の他の現場のことを指していると思っていたんですが、ぁぃぁぃのブログを見るに他のアイドルの現場という意味も含まれているのかもしれませんね。*6
流石は平和の使者私立恵比寿中学、心が広いですね(笑)
まあ何を隠そうぁぃぁぃ自身が大のアイドル好きですからね。
ぁぃぁぃは2012年6月6日からTop Yellという雑誌に「このアイドルさんのブログに夢中」という連載を持っており、様々なアイドルのブログ記事をピックアップして紹介していくというにわかアイドルファンには到底真似できない濃いコーナーを毎号掲載しています。
まだまだ売れていないこんな時期から(しかも中学2年生で)雑誌に毎月連載を持ってるというのも凄いですが、もっと凄いのはこの連載が現在(2017年4月)まで続いている長寿コーナーだということです。
廣田プロには敵いませんよほんと(笑)
ただ、「できればホームはエビ中でお願いします(人・ω-)」と廣田プロも仰っているので、皆さんあくまでもホームはエビ中でお願いしますね(人○言○) (笑)
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歌詞の特性上ライブの終盤に披露されることが多いため、当時はこの曲の立ち位置に付いた途端にライブの終わりを惜しむ声が上がることもしばしばあったそうです。*7
確かにライブの後半で来ると僕もそう思っちゃいますね(笑)
背景に書いた通り、理事長曰くエビ中のライブの間は童心に帰って楽しんでほしいという想いを詰め込んだ曲なわけですが、それと同時にそのライブの終わりを感じさせる曲でもあるというのがまた哀愁を誘います。
僕はこの曲で言う「中学生」とは「童心」の事だと思ってます。
エビ中と一緒にいる間は、高校生だろうとおばあちゃんだろうと、ヲタさんだろうとスタッフさんだろうと皆が童心に帰ると謳うのがこの曲です。
(そしてそれこそが「永遠に中学生」がグループコンセプト足り得る所以でもあると思います)
しかし、この曲はその楽しい時間の終わりも表しているのです。
エビ中のライブが童心に帰れるものであるなら、下校=ライブの終わりとは童心から大人に戻る時間であり、童心の終わりを意味します。
永遠に中学生と言う割に、ずっと童心ではいられない、いさせてくれないというこの矛盾。
僕は、ここに得も言われぬ哀愁を感じてしまいます。
楽しいライブが終わって欲しくない、この童心を持ち続けていたい、永遠に中学生でいたいと願う一方で時は無常に流れる(=下校のベルが鳴る)という現実。
それに対して、時間は止められないからライブは終わってしまうけど、それでもここにいる間は誰もが「永遠に中学生」でいられるから、だからまた楽しいライブをしましょう、また私立恵比寿中学でお会いしましょうと歌うエビ中。
永遠に童心でいたいという理想を、流れる時という現実が阻んでいるにも関わらず、それを受け入れた上で尚理想を追い求めるこの直向さに感銘を受けます。
しかもこれを地で行くのがエビ中なのです。
だからこそ胸に響きます。
大人になると尚のこと響きますね。
大人になってしまったからこそなのかもしれません。
他にもいくつかありますが、子供のような純粋さを持つ者が歌うからこそ大人に響く曲。
これがエビ中の神髄だと僕は思います。
そういう曲を聞くと涙が出てくるんですよ。
泣かしに来てる感動ソングより、よっぽど涙が出ます。
この曲もそうです。
笑えて泣けてあったかい。
この曲はエビ中そのものです。
そんな最高の1曲です。
~~
背景にも少し書きましたが、この曲が出来る前は「中学を卒業する年齢になったメンバーはエビ中も卒業するのか」という疑問は多くのファンが胸に抱いていたようです。
まぁ、そりゃそうですよね(笑)
まずグループ名からして高校生になったら卒業と考えるのが普通です。
共通点の多さからエビ中のライバルとして挙げられることの多いさくら学院*8も義務教育が終了する年齢になったメンバーは卒業しますし、エビ中の年下グループであるみにちあ☆ベアーズも卒業制です。
というか一時期は、小学校を卒業したらみにちあも卒業しエビ中に入るというシステムだったので、それを考えればエビ中も高校生になったら卒業と考える方が自然です。
それともうひとつ根本的な問題として、高校生になっても中学という設定のアイドルグループでの活動を続けたいかというという問題もありますね。
しかしこれに関しては、この曲が発売する3か月程前の2011年8月14日に行われたライブ*9の第2部『ももクロ3年エビまだ2年~夏の日の2009~』(エビ中結成2周年記念ライブ)において、瑞季と真山は「来年で高校生になってしまうけれどそれでもエビ中でいていいという人がいてくれればエビ中を続けていきたい(意訳)」と語り、ファンが「いいよ」と答えるという場面があったそうです。*10*11
となるとグループ名が変わるのか、それとも無慈悲に卒業なのか…と、ファンの中に渦巻いていた不安と絶望を打ち砕く希望の光となったのがこの曲というわけですね(笑)
しかし、実はこの時は曲としての「永遠に中学生」はありましたが、制度としての「永遠に中学生」はまだ制定されていなかったのです。
つまり、あくまでも永遠に中学生という心持ちでいようねというだけで普通に卒業はしますという可能性もまだあったわけです。
ファンとしては、このタイミングでこんな曲を出したわけだから流石に卒業はないだろうと思う人も多かったかと思いますが、メンバーとしてはそうでもなかったようで、当時の心境について瑞季は
『その頃は「永遠に中学生」の曲はあったんですけど、まだ「永遠に中学生制度」はできていなくて、真山と「たぶん卒業だよね」って話していて、「卒業式は一緒にやろうね」って。』
とインタビューで語っています。*12
では「永遠に中学生制度」はいつ誕生したのでしょうか。
2012年3月25日、春ツアー*13の第5公演が横浜のクイーンズスクエア横浜 1F クイーンズサークルにて行われました。
季節は春にして、卒業シーズン真っ盛りの時期です。
瑞季と真山も遂に中学3年生を終えて、高校1年生になろうかという時期。
しかし、この日のメインイベントはひなたの生誕祭*14であり、特に二人のイベント等のアナウンスはありませんでした。
そしてライブが始まり、唐突に瑞季と真山の二人だけがステージに現れます。
「私達は中学4年生になります!」
「私達は卒業しません!」
高らかな宣言と共に始まる二人だけの「永遠に中学生」。
そう、これがかの有名な
『卒業しない式』です。
当時の様子については、ウレぴあ総研さんのサイトにて質の高いライブレポートが掲載されていますので、詳しくはそちらをご覧ください。(←最初からそっちを見せろ)
この時に二人で歌った永遠に中学生では、途中の台詞が「瑞季でした~」「真山りかでした~」「瑞季でした~」「真山りかでした~」「瑞季でした~」「真山りかでした~」…と延々繰り返されたそうです。
想像してみてください……最高ですね(笑)
ちなみに後のインタビューによると、瑞季と真山はこの「卒業しない式」の台本を渡された時に初めて自分たちがエビ中を辞めなくてもいいということを知ったそうです(笑) *15
ってそこでやっとなんですね(笑)
それまでに布石はいくらでもあったので、この頃にはスタッフもファンも当然続けるものとして見ていたと思いますが、やはり二人からしたらちゃんと名言されるまでは不安だったんでしょうね。
台本を渡された時に二人がどれだけホッとしたかを考えると胸が暖まります(笑)
こうして晴れて中学4年生となった瑞季と真山。
この「卒業しない式」から永遠に中学生制度が始まったというわけですね。
以上エビ中ヒストリーでした(笑)
~~
僕が思うに、社会で生きている限り、歳を経るごとに精神が大人になるのは必然であり、精神が大人になるに連れて童心を失っていくのはある種自然の摂理だと思います。
社会とは童心、つまり子供のような純粋な心を持ったままでは生き辛い場所なんでしょう。
なので極端に言えば、「大人になることは純粋さを失うこと」だとすら思います。
そして逆に言えばそれは、「純粋さを失わない者は大人にならない」ということになります。
永遠に中学生というのは詰まるところ、「純粋さを失わないが故に大人にならない」存在であり、エビ中とはそれを目指すグループなんじゃないかと思います。
というより、そうなって欲しいと思っているの方が正しいかもしれません(笑)
彼女達と運営を含めた「私立恵比寿中学」というグループの活動を見ていると、
この子達なら本当に純心な大人に、永遠に中学生になれるかもしれないと思わされるのです。
それを見てみたいし、見ていたい。
僕がエビ中にハマってる一番の理由はもしかしたらそこなのかもしれません。
世の中にアイドルグループは数あれど、「永遠に中学生」というコンセプトを掲げているアイドルは私立恵比寿中学しかいません。
端から見たら鼻で笑っちゃうような下らないコンセプトかもしれませんが、僕はとてつもなく深大で価値のあるテーマだと思っています。
そしてこれをコンセプトとして体現できるグループはエビ中くらいしかいないと思ってます。
本物の現役中学生が一人も居なくなり、いよいよ全員に永遠に中学生制度が適用されたエビ中。
これから先メンバーはどんどん成長していきますが、彼女達が大人になればなるほど、この曲は深みを増していくと思います。
その時この曲が似合うグループでいられているのか、はたまた到底似合わないグループになっているのか。
「永遠に中学生」の行く末を、これから先じっくりと見届けさせてもらいたいと思います。
エビ中の2016年秋ツアーのタイトルは「エビ中って現役中学生一人も居ないグループなんだって!」でした。
【シングルの感想】
さ~てようやくここまで来ましたね(笑)
とりあえず今回のシングルの制服衣装はすごくかわいいですね。
個人的にここまでの衣装の中で一番好きです。
メジャーデビューしてからは制服衣装縛りもなくなるので(制服っぽい意匠が凝らされた衣装はありますが(笑))、制服衣装もインディーズの象徴の一つという気がします。
このシングルはご存知の通りインディーズ時代最後のシングルです。
最後ということで大盤振る舞いの新曲3曲+オフボーカル3曲の計6曲です。(別に最後だからってわけじゃないと思いますが(笑))
このシングルはまさにメジャー前の転換期を象徴している気がしますね。
エビ中らしさは残しつつ、今までの表題曲とは少し違った印象を持たせた「もっと走れっ!!」。
新たな楽曲提供者を呼び入れ、前山田さんじゃなくてもエビ中らしさは出せることを示した「売れたいエモーション!」。
そしてエビ中の本質とこれからの指針を示した「永遠に中学生」。
こうして一曲ずつ感想を書いてみると、全てエビ中らしさとは何かという所に行き着く結果になったのがなんとも興味深いです。
まぁ皆さんからすれば、そんなのお前のさじ加減だろって話でしょうけど(笑)
ただ僕的にはこの記事を書いたことで、このシングルが一つの時代の終わりと、それに伴う新たな時代の始まりに向けてのシングルとして相応しいものだったなと感じることが出来ました。
~~
さて、次のシングルから新たな時代の幕開けということで、ここでインディーズ時代の功労者である前山田健一さんについて少し振り返ってみたいと思います。
これまでのエビ中の持ち歌(カバーは除く)の中でCD化されているのは計10曲。
その中で前山田さんの曲は計8曲です。
つまり8割前山田さんです。
凄い依存度ですよね(笑)
しかしメジャーデビューしてからはここまでの依存はしなくなり、一楽曲提供者としての立ち位置になっていきます。
これまでの前山田さんの提供曲はどこかしらほわほわしているというか、ゆとりがあるというか、「努力!友情!勝利!」みたいな全力感や熱血感からはだいぶかけ離れた場所に位置している曲が多かったと思います。(エビ中1週間なんて作り方次第ではモロそういう曲に出来たと思ますが、そうはしていません)
しかし、メジャー以降の前山田さんの提供曲は結構熱いメッセージというか、がむしゃらに頑張れ!という全力で前向きな曲が多くなってきます。
もっと走れっ!!はちょうどその変化の分岐点な気がしますね。
3rdアルバム「穴空」に収録されている「参枚目のタフガキ」なんかは特にそれが顕著です 。
しかし、これらの熱いメッセージはエビ中のファンに向けたものではなくて、エビ中自身に向けて前山田さんが送っているメッセージなんですよね。
詳しくはその曲の紹介記事の時に書きますが(っていつになるやら…(笑))、エビ中に対してのメッセージ性が強いというこの傾向には前山田さんの愛情を感じます。
そういえば、来月末に発売される4thアルバム『エビクラシ―』に前山田さんが楽曲提供しています。
タイトルは「フォーエバー中坊」(作詞作曲:前山田健一 編曲:鈴木雅也)です。
「フォーエバー中坊」って「永遠に中学生」と同じ意味ですよね。
この曲もエビ中に向けたメッセージソングなのでしょうか。
それは分かりませんが、このタイミングでこのタイトルを出してくるあたり、流石前山田さんと思わずにはいられません。
…とは言っても実際のところは聞いてみないとなんとも言えませんが(笑)
とにかく新しいアルバム、そして新しいエビ中に期待して待つことにします。
※4月23日追記
昨日、「私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~」の初日公演に参加してきました。
エビクラシ―に収録される新曲は全て披露され、「フォーエバー中坊」も聞くことが出来ました。
この曲、僕は前山田さんがエビ中に対して『”永遠に中学生”を見失うなよ』と言っているように感じました。
新しいアルバムは本当に良曲揃いですが、この曲はエビクラシ―の中でも極めて重要な役割を担っている曲だと思います。
詳しくはエビクラシ―の記事で書くことにします。(だからそれはいつになるのか…(笑))
ライブは素晴らしかったです。
新たなエビ中に益々期待を持つことができる内容でした。
機会があれば皆様もぜひ見に行ってください。
「私立恵比寿中学」としての指針がしっかりとそこに示されています。
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面白い記事があります。
エビ中がメジャーデビューを直前に控えた頃の職員インタビューで、エビ中について藤井校長がこんな風に語っていました。
ちょっと長いですが引用します。
『ももクロは、例えば「がんばって汗を流してその先にある何かを手に入れる」ようなものだと思うんです。でもエビ中はそういうグループじゃない。
ストリートライブから始めた過去はなく、ももクロの前座としてステージに出たり、下積みは皆無に近い。だからそこで訴えかけるのは無理だし、彼女たちがそれをやっても真実味も出ない。
エビ中というのは「前後の文脈は抜きにした、純粋な現場の楽しさ」が本質なんだと思います。具体的には、中学生的なモラトリアムやノスタルジックなイメージ。
そこをうまく見せていけたらいいなと思ってます』*16
面白いですね。
インディーズ時代のエビ中らしさとはまさにこういうことなんだろうなと僕も思います。
しかし、今のエビ中らしさは結構変わってきてると思います。
例えば、「前後の文脈は抜きにした、純粋な現場の楽しさ」が本質というのは、「ティッシュ」や「ゴースト」等の楽しさを重視した特にメッセージ性のない曲をメインに扱っていたからこそだったんじゃないかと思います。
近年でもそういう曲はありますが、それがエビ中の本質かと言われると、今はちょっと違うと思いますね。
その一部ではあるかもしれませんが。
それと、僕は「がんばって汗を流してその先にある何かを手に入れるようなグループじゃない」というところが凄く好きなんですが、最近はこの傾向が結構弱くなってきたと思います。
先程の前山田さんの提供楽曲の毛色の変化もある意味それに関与していますね。(とは言っても弱くなったのは8人時代になってからだと思っていますが)
殆どの人はそういう頑張り物語を好むのでそれも仕方がないのかもしれませんけど。
それに、ここ最近はエビ中に大きな不運が重なってしまっています。
これによって「がんばって汗を流してその先にある何かを手に入れる」ことのお膳立てが整ってしまった部分がありますし、そもそもそれにあやかりでもしないと立て直せない状況に陥ってしまったという節もあります。
細かいことはまた個別の記事で語るつもりですが、「EVERYTHING POINT」シリーズの内容の変化はそれを如実に表していると思いますね。
個人的にEVERYTHING POINT5がどういう内容になるのかは注目するところです。
今回の記事を通してずっと「エビ中らしさ」について語ってきましたが、結局細かい部分も含めればそれは人によって違いますし、時代によっても違うものだと思います。
例えば、前山田さんの考える「エビ中らしさ」と、校長の考える「エビ中らしさ」には違う部分があると思います。
楽曲やインタビューを見るに、恐らく前山田さんは「エビ中はがんばって汗を流してその先にある何かを手に入れるようなグループじゃない」とは思っていないと思います。
それに、校長にとっての「エビ中らしさ」も時と共に少しずつ変わって来ていると思います。
そもそもエビ中自体が9人から8人になって大きく変わりましたからね。
そのタイミングで「がんばって汗を流してその先にある何かを手に入れるようなグループじゃない」というのは変わってきたのかもしれません。
そう考えると「らしさ」って難しいですよね。
どんどん変わっていくものですし、それに連れて広がっていくものでもあるので、曖昧に使う分には簡単なんですが、明確に説明するとなるととても難しいです。
だけどそのよく分からない「らしさ」に惹かれてるんですよね(笑)
厄介なことに(笑)
らしさは変わっていくものですが、そこに惹かれた身としては、せめて自分が惚れたらしさだけは変わらないで欲しいと思ってしまいます。
我が儘かもしれませんが(笑)
逆にそこさえ変わらなければ多少のことでは気持ちは変わりませんからね。
~~
それにしても今回の記事長すぎですね…。
長くなりすぎたので分割しましたがそれでも長いですね(笑)
読んで下さった皆様、ありがとうございました。
次回以降は気を付けます…多分(笑)
*1:理事長のお言葉|私立恵比寿中学オフィシャルブログ「エビ中交換日記」Powered by Amebaより
*2:理事長 (自由人。しがない非公式) on Twitter
*4:理事長のお言葉|私立恵比寿中学オフィシャルブログ「エビ中交換日記」Powered by Amebaより
*5:画像:オタクィーーーンイングリッシュ#0より(オタクィーーーンイングリッシュオンデマンド)
*6:☆日々成長☆(廣田あいか)|私立恵比寿中学オフィシャルブログ「エビ中交換日記」Powered by Amebaより
*8:アミューズ所属のアイドルグループ。エビ中と同じく学校設定があり、メンバーを生徒、追加メンバーを転入生、マネージャーを先生と呼ぶ等類似点が多い(但しエビ中と違って学校設定は遵守されている模様)。ちなみにグループ名の由来が本社の所在地から来ているという点も同じ。だが、意外にも結成はエビ中の方が先。
*9:『浴衣でPON!エビ中にお盆休みなし!!』千葉県の「ららぽーと柏の葉」にて開催
*10:半年ぶり(*^^*)☆(瑞季)|私立恵比寿中学オフィシャルブログ「エビ中交換日記」Powered by Amebaより
*11:かしわのは(^・ω・^*)ノ(真山りか)|私立恵比寿中学オフィシャルブログ「エビ中交換日記」Powered by Amebaより
*12:『クイック・ジャパン』vol.108より(“永遠の中学生”謳う私立恵比寿中学 「現役中学生は残り1人」に葛藤 - NEWS | 太田出版ケトルニュース)
*13:スプリングデフスターツアー2012 ~こりゃあ春からエビがいい!~
*14:柏木ひなた生誕祭~いつまでたっても末っ子のおもちなのだ~
*15:MARQUEE Vol.94より